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事業活動 〜公益財団法人 ローランド芸術文化振興財団の活動〜

2011マスタークラス・サマーセミナー

開催日時 2011年8月5日(金)13:00〜8月7日(金)17:00
会場   ローランド株式会社 浜松研究所

恒例のマスタークラスの「夏季集中宿泊研修」とも言うべき、サマーセミナーを8月5日(金)から7日(日)にかけて、二泊三日で開催をしました。
通常は東京と大阪でそれぞれ定期セミナーを月1回のペースで行なっているこの育成事業、サマーセミナーでは、それぞれの会場で学ぶ受講生全員がローランド浜松研究所に集結して、泊り込みで音楽を総合的に、集中して勉強する、というもの。
今年も、熱心な受講生が浜松に集まり、充実したセミナーの幕が開きました。
まずトップバッターは、ローランド創業者であり、当財団理事長でもある梯郁太郎による「特別基調講演」。
電子楽器が今日ほど普及も発展もしていなかった時代から、自らの信念を貫いてローランドの創業に至った、それまでの経緯や山を乗り越えてきた話には、ミュージック・イノベーターとして世界が認める梯のゆるぎない実体験が盛り込まれ、受講生、聴講生は圧倒されつつも、机上の学問ではなく、実体験を通して得た知識や経験は、何ものにも代えがたい大きな財産になることを実感し、非常に感動を覚えた様子でした。

続いては、日本ジャズ界の大御所、前田憲男先生の登場。
ステージに上がるやいなや演奏を始め、圧倒的なパワーとインスピレーションで展開される即興演奏に、受講生、聴講生とも大感激。
90分におよぶセミナーの大半は、ほとんど演奏のみというジャズピアニストならではのレパートリーの豊富さ。斬新なインプロヴィゼーションを通じてジャズの何たるやをご指導いただけた、前田憲男先生ならではの貴重なセミナーとなりました。

そして、次のセミナー講師であるジャズオルガニストの橋本有津子先生が登場。
当財団のリクエストに快く応じていただき、ピアノ前田憲男×オルガン橋本有津子×ドラム恒川久徳によるジャズトリオの即興演奏を披露、会場からは割れんばかりの拍手が送られました。
橋本先生のセミナーでは、アメリカへ演奏に行かれる際に仕入れてこられる、最新のアメリカンジャズ理論を惜しげもなく指導いただきました。資料や演奏を交えながらのセミナーは説得力があり、受講生の糧となりました。

そして、1日目の最終セミナーは、恒例の「指揮法」。
受講生にも人気の高い齊藤一郎先生の歯切れのよい、そして切れ味抜群の突っ込みとそれでいてきめ細やかな指揮法の指導に、受講生は緊張しながらも楽しく、そして有意義に伝達手法を学ぶことが出来た様子でした。「指揮を通じて、自分の意思を相手に伝えることの大切さとコツを学ぶ」ということを目的に行なっているこのセミナー、やはり初年度受講生と継続受講生との差が明確になり、少しでも体験しておくことの大切さを実感することが出来た様子でした。

サマーセミナー二日目には、日本を代表するチェンバリストの中野振一郎先生の登場。
中野先生はマスタークラスには初めての登場ですが、その親しみやすいキャラクターと、豊富な知識でたちまちバロック時代の音楽が身近に、そして興味深いものになり、受講生は中野先生の世界にすぐに引き込まれていきました。
ここではバロック音楽についての解説のあと、受講生の中から5名が公開レクチャーを受講、中野先生の新著「チェンバロをひこう(音楽之友社)」からそれぞれ選曲した楽曲を、電子チェンバロC-30で演奏、それを中野先生のきめ細やかでポイントをついた指導で修正していくという、公開レクチャーならではの貴重な時間を、受講生、そして聴講生ともに共有することができました。

続いてのセミナーはクラシックピアノ公開レクチャー。こちらもマスタークラス初参加の宮谷理香先生。
レクチャーはいま話題のVピアノのグランドタイプ。宮谷先生は登場してすぐ1曲を披露、またたく間に宮谷ワールドへ受講生、聴講生を引き込みました。
そして、あらかじめ指名された受講生5名がそれぞれ任意で用意してきたピアノ曲を披露。宮谷先生は、その豊かで深い音楽性で、本人の意思を尊重しつつも、「なるほど」とうならせる説得力ある指導で一人ひとりの表現力を向上させ、その手腕と高い指導力に参加者は感動を覚えた様子でした。少しのポイントの指摘だけでこれほどまでに演奏表現が変わることに驚くとともに、いかに自分の演奏を客観的に聴くことが大切か、ということも改めてご指導くださったようでした。

続いてのセミナーは、ドラマーの恒川久徳先生。
マスタークラスでは、いつもドラムサポートをお願いしておりましたが、多くの受講生からのリクエストもあり、今回はドラムセミナー講師としてもお願いをすることになりました。
リズムをいかに体で感じるか、その方法を、メトロノームをうまく活用して体感していく手法は新鮮でもあり、また大変ユニークかつ高度なやり方で、多くの参加者は目からうろこの様子でした。

そして二日目最後は、継続受講生だけの出演による『サマーコンサート』。
17名の出演者は、それぞれ持ち寄った曲を一般開放された会場で披露、ソロあり、アンサンブルありで、有料コンサートに恥じないレベルの演奏を披露してくれました。司会は受講生の木村香恵さんが担当、キュートで親しみやすい司会進行ぶりに会場は暖かい雰囲気に包まれ、2時間弱のコンサートは無事に幕を閉じました。

さて、いよいよサマーセミナー最終日の冒頭は、マスタークラスではお馴染みのレギュラーメンバーとも言える、ピアニストの小原孝先生。
小原先生の温かみのあるピアノ音が今年も会場に響き渡りました。公開レクチャーではこちらも5名がステージにそれぞれ参加。小原先生のアレンジ曲集からの選曲を自分なりに解釈して披露。その自己主張を尊重しつつも、「このようなタッチで弾くともっとよくなる」、「もっと感情を込めてこのように…」と具体的なアドバイスで、受講生の演奏もみるみる変化、その完成度に客席で聞いている他の受講生、聴講生も驚きを隠せない様子でした。これも、小原マジックのなせるワザなのでしょう。
そして、エンディングは、小原先生の東日本大震災被災地へ向けたオリジナル曲を、Vピアノグランドの弾き語りで披露。その包み込むような温かいピアノと歌で、聴いている多くの人が感激の涙を流しました。音楽の力で感動を与え、勇気をいただけることを改めて実感させていただくことの出来たセミナーでした。

いよいよサマーセミナーのラスト、お馴染みの佐々木昭雄先生の登場。
7月に事前セミナーを東京、大阪で行なっただけに、リハーサルともいうべきプレライブはスムーズに進行。いよいよ本番とも言えるジャズライブに突入。受講生はそれぞれ選んだ楽曲を通じて、プロのギタリスト佐々木秀尚さん、ドラマーの恒川さんのサポート、そして佐々木昭雄先生のベースサポートで、アンサンブルを体験。その貴重な時間の中からライブ感を実感として身に付けていけた様子でした。
ライブ終了後は、受講生、聴講生とも三日間のプログラムをすべて終えた安堵感と、今回のセミナーを通じて多くの学びを得たことに対する満足感で、充実した面持ちで研究所をあとにしました。

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